マイクロ波による陶器焼成技術

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「マイクロ波による陶磁器焼成技術」

マイクロ波による陶磁器焼成技術とは、簡単に言うと電子レンジの原理で
陶磁器を焼成する、というもの。

岐阜県セラミックス技術研究所と文部省核融合科学研究所とが協同開発。
マイクロ波による焼成は以前から試みられていたが、表面の熱が逃げるこ
とで生地そのものの温度が均一化せず、第一段階では失敗。
次に、生地をサヤに入れ、サヤも同時に発熱させ生地表面からの放熱を
抑えることで、変形やひび割れの無い焼成に成功。ただ、この方法では
加熱エネルギーの多くをサヤに奪われることになり、実用化に向けての
大きな課題「低コスト化」の問題を抱えていた。

その難題を解決したのが「二重ブランケット構造」の考案です。
「二重ブランケット構造」とは焼成室内部を二重構造とするもので、外
側に比熱の小さい断熱材を用い、その内側に製品と同じ性質の素材(サ
ヤの部分)を用いるというもの。さらに、サヤの部分を極限まで薄くす
ルことで、エネルギーのロスを最小限に抑えている。

マイクロ波による焼成が従来のガス窯などによる焼成と大きく異なる点
は、加熱変化が均質であること。このため急激な加熱が可能で、しかも
大型で肉厚のものまで短時間の焼成が可能となる。

エネルギー消費量についてみると、マイクロは焼成炉はローラーハース
キルンの約四分の一、ファイバーシャトルキルンの約十分の一と劇的に
低減。最近問題となっている二酸化炭素の排出量についても25%から
65%の削減が可能となる。

焼成コストについては、従来の三十分の一、焼成時間は七分の一とされ
窯業の現場を大きく変えることは間違いない。

実験、実証段階だった同技術をさらに進め、実用化と普及を前提とした
ものが「環境負荷低減型短時間、均質加熱焼成プロセスの開発」プロジ
ェクト。NEDOの平成13年度「地域新生コンソーシアムエネルギ
ー研究開発」(省エネ枠)プロジェクトとして採択され,3年間で2億
7千万円の予算が見込まれている。

[東濃新報より]